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柿 - かき

《栄養と働き》


 柿は、日本古来の植物です。いまやヨーロッパでも「カキ」で通じるほど。農家の庭先に実る柿に郷愁を覚えるなど、日本の風土に根づいた秋のくだものとなっています。柿には渋柿と甘柿があり、代表的な甘柿には富有(ふゆう)・次郎(じろう)・御所(ごしょ)柿、渋柿には庄内(しょうない)・西条(さいじょう)柿などがあります。
○栄養成分としての働き
「柿が色づくと医者が青くなる」という諺(ことわざ)がありますが、それは柿にはビタミンCが豊富で、万病のもとといわれるかぜを予防するからです。
 果実1個あたりに含まれるビタミンCの含有量は、温州ミカン3~4個分に相当するうえ、カロテンも多く、これらの相乗効果でウイルスや細菌に対する抵抗力を強め、粘膜(ねんまく)を強化するので、かぜ予防のほか、肌荒れ防止にも効果があるのです。
〈アルコール分解酵素とカリウムの働きで二日酔いを治す〉
 柿には渋みのもとであるシブオールというタンニン成分と、アルコールデヒドロゲナーゼという酵素があり、これらがアルコールを分解する働きをします。
 さらにカリウムも多く含有するので利尿作用もあり、二日酔いに効きます。
 なお、干し柿にすると、残念ながらこの効用は消えてしまいます。しかし干し柿の甘みは生果の4倍、カロテンは約2倍にもなるうえ、食物繊維も1回に食べる量あたりの含有量は全食品中のトップと、すぐれた健康食品です。
 柿の橙色(だいだいいろ)の色素成分に、β(ベータ)―クリプトキサンチンがあります。これに、ニンジンなどに多いカロテンの約5倍という強力な発がん抑制作用があることが判明し、がん予防が期待されます。
○漢方的な働き
 漢方では、柿が肺を潤してせきやたんを止め、炎症を抑えることから、肺結核のせきや喀血(かっけつ)の補助療法に用いられています。
 柿の葉やヘタにも薬効があります。葉には果実以上にビタミンCが多いので、お茶にして服用すると高血圧や動脈硬化予防のほか、潰瘍(かいよう)などによる内出血、痔(じ)の出血、鼻血、月経過多、眼底出血にも効果があるといわれています。さらにヘタを煎(せん)じて飲むとしゃっくり止めや夜尿症(やにょうしょう)に効きます。
○注意すべきこと
 柿は消化がよくないうえ、体を冷やす作用があるので、胃腸が冷えやすい人や病後、産後の人はひかえめにしましょう。
 また、渋み成分のタンニンを含むので、多食すると便秘になる場合もあります。

《調理のポイント》


 柿は生で食べるのが一般的ですが、料理としてはダイコンなどと和える、なますがよく知られています。これは彩りもよいうえ、互いのビタミンCをそこなうことがない、理にかなった調理法です。
 葉はお茶のほか、若葉を使ったサラダやてんぷらもいいでしょう。

出典 小学館食の医学館について 情報