ホーム > 新着記事 >

ビール

《栄養と働き》


 ビールはヨーロッパの新石器時代には、すでに存在していたといわれます。
 古代のエジプトやバビロニアでは、神に捧げる神聖な飲みものとされ、薬としても用いられました。
 ビールが日本に伝来したのは江戸時代の中期以降で、江戸末期には長崎のオランダ商館で飲まれていたようです。
○栄養成分としての働き
 いまやビールは日本人にとってもっとも身近な酒。その消費量も、酒類中ダントツの1位です。
〈酒のなかでは栄養バランスにすぐれ、とくに葉酸が豊富〉
 ビールを飲むと、炭酸の刺激と適度なにがみが食欲を増進させます。また、浸透圧が人間の体液に近いため、利尿作用があり、尿路結石(にょうろけっせき)の排出にも有効です。
 こうした効用に加えて、酒のなかでは栄養のバランスがとれている点も特徴の1つです。ビールは別名「液体のパン」ともいわれ、原料の麦に由来するビタミンB群やミネラルが比較的豊富です。
 ことに、ビタミンBの一種である葉酸(ようさん)は、ワインやウイスキーの100~1000倍も含有。その働きで脂質の代謝を活発にし、皮膚の健康を保って肌荒れを防いでくれます。
 また、ビールの中には、原料のビール酵母の成分である核酸が溶けだしています。この核酸には、新陳代謝を活発にして、肝臓の働きを助ける効果があり、老化防止にも有効です。さらに最近では、生きたビール酵母に、ニンニクを食べたあとの口臭を消す効果があることもわかっています。
 ところで、ビールのにがみは原料のホップに由来するものですが、ヨーロッパには昔から「ホップ畑で働く女性は肌がきれいで健康」という言葉があります。これはホップのルプリンに女性ホルモンを補う働きがあるためで、ビールにも更年期障害を改善する働きがあるといわれます。
 このほか、気分をやわらげ、ストレスによるイライラを軽減する効果があります。そのため、ホップは安眠まくらや安眠のためのハーブティーにも処方されています。

《調理のポイント》


 ビールの原料や製法はさまざまですが、もっとも一般的なのはピルゼンタイプと呼ばれる、ホップの香りのきいた淡色ビールです。
 一方、俗に黒ビールと呼ばれるミュンヘンタイプのビールは、麦芽を焦がして仕込んだもので、香ばしい香りと独特のやわらかな甘みが特徴です。
 生ビール、もしくはドラフトビールは、日もちをよくするための熱処理をしていないビールで、ろ過や微生物管理の技術が発達している現在では、このタイプが主流となっています。
 なお、ビールをおいしく飲むときのポイントは、きれいなグラスを使うことです。
 グラスに汚れがついていると、そこから炭酸ガスが分離したり、泡が消えたりします。また、賞味期限以内でなるべく早く飲むようにしましょう。
 飲料としての用途以外では、煮込みなどの料理に使われるほか、てんぷらの衣に入れれば揚げ上がりがカラっとする効果もあります。

出典 小学館食の医学館について 情報

前の記事: 鶏卵 - けいらん

次の記事: 日本酒 - にほんしゅ