杜仲茶 - とちゅうちゃ
《栄養と働き&調理のポイント》
杜仲(とちゅう)は中国四川(しせん)省原産の落葉樹で、他に同類をもたない一科一属一種のめずらしい植物です。害虫や細菌も寄せつけない強い生命力をもち、その樹皮は古来より、不老長寿の高貴な漢方薬として珍重されてきました。
杜仲茶は、樹皮と同様の成分を含む杜仲の葉を熱湯で抽出したものです。葉の薬効は、樹皮よりずっとゆるやかです。
○栄養成分としての働き
杜仲の葉は栄養素に富んでおり、その抽出液の杜仲茶にもカリウム、マグネシウム、亜鉛(あえん)、リンなどのミネラルやビタミンCが豊富です。
さらに、副交感神経の緊張をやわらげる成分、血圧の降下作用がある成分などが含まれているといわれています。
これらの栄養素の働きによるおもな効用は、高血圧、動脈硬化、冷え症、便秘、むくみなどの予防・改善。また、ストレス解消や物忘れの防止にも有効なほか、コラーゲンの分解・合成能力を高めて、肌の老化も防ぐといわれます。
最近では、さまざまな形に製品化された杜仲茶が市販されていますが、購入するときには杜仲葉100%のものを選ぶのがポイントです。
○注意すべきこと
杜仲茶にはカリウムが多く含まれるので、腎臓病などでカリウムの摂取制限を受けている人はひかえてください。
出典 小学館食の医学館について 情報