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くさや

ムロアジ、クサヤモロなどからつくる塩干しの一種。伊豆七島とくに新島(にいじま)の特産品。強烈な臭気を発する。鮮度のよいクサヤモロ、ムロアジ、トビウオなど脂肪の少ない魚を腹開きし、水洗(すいせん)後、くさや汁という塩汁に10時間前後浸漬(しんし)し、水洗して日干しする。くさや汁とよばれる食塩水は反復使用するため、魚体より溶出した可溶性タンパク質、エキス分などに富む。ただし、食塩濃度が8~10%と薄いため、腐敗や発酵がおこり、強い臭気をもつ。臭気成分はフェニル酢酸を主とし、このほか低分子脂肪酸よりなる。くさや汁は食塩が少ないわりにくさやの干物に貯蔵性を与えるのは、くさや汁中に繁殖した細菌の抗菌作用によるとされる。クサヤモロからつくったものが最上とされる。古くから酒の肴(さかな)として好まれ、軽くあぶって、そのままちぎって食べる。

[金田尚志]

くさや(トビウオ)
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くさや(トビウオ)

くさや(ムロアジ)
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くさや(ムロアジ)


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例